現代型の最新戦車は、鋼鉄の塊であると同時に高度情報機器や精密機器の塊でもあるため高価であり、ある程度の台数を購入するにはかなりの軍事予算を必要とする。
東西冷戦期には、ヨーロッパで対峙していた東側と西側の陣営各国だけでなく世界中の多くの国々が陸上戦闘での主戦力となる戦車を百台単位から千台単位で保有していたが、冷戦終結後は脅威の減少[11]に伴う軍事費の削減によって、徐々に旧式化する大量の保有戦車を次世代型の新たな戦車に置き換えるだけの予算は与えられなくなった。
先進国の軍隊が限られた軍事予算を有効利用するには、それまで、アフリカ諸国のような軍事予算の限られた国の軍隊が、旧式化した先進国の中古の陸上兵器を小さな改修によって実用的な兵器として購入していたように[12]、先進各国が保有している多くの戦車に対して、車体はそのままに追加の装甲や最新電子装置などの付加や交換による能力向上と寿命延長措置が計られることも行なわれている。こういった改修は「近代化改修」と呼ばれる[13]。
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戦車相当の戦闘車両の開発
先進国では、近代化改修による旧型戦車の延命処置によって重く遅い戦車を保有し続けるのとは別に、冷戦終結によって大規模戦争の可能性が小さくなると共に、低脅威度地域紛争への派兵と云う新たな戦闘車両への要求が大きくなり、敵主砲弾に対する防護より肩撃ち式対戦車ミサイルへの防護が求められ、輸送に適した小型軽量、そしてできれば高速走行できる軍用車両の必要性の高まり応じて、従来の重厚長大へと進んだ戦車の開発方向とは全く異なった戦車類似の兵器体系の模索が開始された。それまでにも戦車以外の中軽量級の戦闘車両の開発では、モジュール化やコンポーネントの共用化によって開発、生産、運用といった面での経費節減と運用効率向上を図ることがあったが、これらの戦闘車両ファミリーに戦車類似、又は戦車相当の車両を含めて作れないか検討され開発が進められている。[14]こういった戦車類似車両を含む新たな戦闘車両体系は、いずれも味方側との無線ネットワークを使って情報化された高度に有機的な運用方法を想定しているため、戦闘車両単体での購入では能力は発揮できず、導入時には戦闘ファミリー全体の保有が求められる。このような戦闘車両が海外へ輸出販売される場合には、兵器技術の拡散という負の側面もあるが、兵器メーカーでは広範な兵器システムの売り込みが図れ、輸出国では購入国への軍事的影響力がこれまでの単体兵器以上に大きくなると考えられる。